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井戸村 泰宏; 徳田 伸二; 岸本 泰明; 若谷 誠宏*
Nuclear Fusion, 41(4), p.437 - 445, 2001/04
被引用回数:13 パーセンタイル:40.87(Physics, Fluids & Plasmas)負磁気シアトカマクのq面近傍領域をモデル化したスラブ配位においてスラブドリフト波の線形及び非線形の性質を調べた。線形解析からITG(イオン温度勾配駆動)モード及びETG(電子温度勾配駆動)モードの両方がq面付近で強く不安定化されることがわかった。非線形シミュレーションはITG乱流より非常に速い時間スケールで発展するETG乱流に対して行い、ETG乱流において準定常なErB帯状流が波のエネルギーの逆カスケード過程により生成していることを見いだした。静電的K-H(ケルビン-ヘルムホルツ)モードの線形解析から、準定常なErB帯状流は、K-Hモードに対して安定か効果をもつ磁気シア分布と密接に関係していることがわかった。また、ETG乱流により生成される微視的なErB帯状流はスラブITGモードに対して強い安定化効果を持つことを明らかにした。
井戸村 泰宏
JAERI 1341, 91 Pages, 2001/01
負磁気シアトカマクにおける微視的不安定性の性質を調べるために、ジャイロ運動論的方程式系から定式化される固有モード方程式を解く固有値問題コード、及び、ジャイロ運動論的有限要素PICコードを開発した。線形解析から、負磁気シア配位において、スラブイオン温度勾配駆動モードに加えて、スラブ電子温度勾配駆動モードがq面付近で強く不安定化されることがわかった。負磁気シア配位における電子温度勾配駆動乱流シミュレーションにおいて、q面両側の磁気シア有限の領域で準定常なEB帯伏流が生成され、電子熱輸送係数が大幅に減少することがわかった。静電的K-H(ケルビン-ヘルムホルツ)モードの安定性解析から、EB帯伏流の流速分布とK-Hモードを安定化する磁気シアが密接に関係していることを見いだした。
井戸村 泰宏*; 徳田 伸二; 若谷 誠宏*
プラズマ・核融合学会誌, 75(2), p.131 - 142, 1999/02
電子系を含むジャイロ運動論的粒子シミュレーションの時間ステップ幅を制限するクーラン条件は、高速電子の通過運動により生じるバリスティックモードにより決定される。トカマクプラズマのパラメータでは、熱電子の通過時間はアルフベン時間の約1/10となることから、電子系を含むシミュレーションの計算コストは非常に大きくなる。本研究では、高速電子の通過時間と低周波モードの時間スケールの間にオーダリングを導入することにより、非正準リー変換を用いて高速通過電子の運動をその非摂動軌道に沿って平均化している。この結果、高速電子の通過運動に伴うバリスティックモードはジャイロ運動論的ブラゾフ-マックスウェル方程式系から解析的に消去され、より長い時間ステップ幅をとることが可能となった。電子系を含むジャイロ運動論的粒子シミュレーションの計算コストは大きく削減できた。
白井 浩; JT-60チーム
Physics of Plasmas, 5(5), p.1712 - 1720, 1998/05
被引用回数:44 パーセンタイル:77.8(Physics, Fluids & Plasmas)本年6月に完了したJT-60Uのダイバータ改造後の実験の進展について報告する。ダイバータ排気付きW型ダイバータに改造したことにより、不純物制御、熱制御性能が向上した。ヘリウムビーム入射による灰排気模擬実験では、ダイバータ排気により、プラズマ内の滞留ヘリウムを低濃度に抑えることに成功した。またELMy Hモード実験では、9秒間に及ぶ積算203MJのNBI加熱エネルギーにもかかわらず、重水素のリサイクリングや炭素不純物の増加を伴うことなく、良好なエネルギー閉じ込め改善度1.7を保持した。負磁気シア配位プラズマでは、内部輸送障壁形成後のNBIパワー抑制により、ディスラプション発生を回避し、4秒以上エネルギー閉じ込め改善度1.7のELMy Hモード状態を維持した。また負磁気シア配位で、内部輸送障壁において発生するドリフト波不安定性が、プラズマ回転による電場形成で抑制されることを明らかにした。
J.Qiang*; C.Singer*; 平山 俊雄
Japanese Journal of Applied Physics, 35(5A), p.2797 - 2802, 1996/05
被引用回数:2 パーセンタイル:15(Physics, Applied)トカマク輸送理論モデルを用いてJT-60のLモード放電について予測計算を行い、モデルの適応限界を評価した。理論モデルとして、線型分散関係のドリフト波ブランチおよびバルーニングブランチに起因する異常輸送束を用いている。上記二つのブランチの各熱拡散係数の乗数については、7種類のトカマク装置の12放電に対する計算結果から統計的処理により求めた値を使用した。予測計算結果から、JT-60の電子温度分布およびイオン温度分布を良く再現できることを示し、本理論モデルの妥当性を検証した。また、JT-60では、加熱時の異常輸送はドリフト波ブランチが支配的となっていることを明らかにした。
白井 浩
JAERI-Research 94-001, 245 Pages, 1994/08
一次元トカマク輸送コードを用いてJT-60プラズマの幾つかの輸送現象の解析を行った。簡約化されたMHD方程式を用いて求めた磁束の交換の結果を用いて輸送シミュレーションを行い、JT-60実験で観測されている軟X線強度の二重鋸歯状振動の発生条件が抵抗表皮時間と関連していることを解明した。軽不純物(酸素・炭素)及び金属不純物(チタン・モリブデン)が混入しているジュール加熱プラズマの密度限界を不純物輸送を考慮して調べ、その結果が実験で得られたHugillダイヤグラムと定性的に一致していることを確認した。モード乱流及びドリフト波乱流(捕捉電子モード・通過電子モード)を用いたNBI加熱プラズマのイオン温度分布解析では、広範なプラズマ・パラメータにわたって計算値と実験モードが良く一致したが、高イオン温度プラズマでは計算されたイオン温度分布は実験データよりも平坦な分布になった。
白井 浩; 平山 俊雄; 小出 芳彦; 吉田 英俊; 内藤 磨; 佐藤 正泰; 福田 武司; 杉江 達夫; 安積 正史; D.R.Mikkelsen*; et al.
Nuclear Fusion, 34(5), p.703 - 727, 1994/00
被引用回数:7 パーセンタイル:31.19(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60及びTFTRでは、中性粒子入射(NBz)加熱時に荷電交換再結合分光(CXRS)によりイオン温度分布が測定されている。このイオン温度分布の実験値と、イオン温度勾配不安定性(モード)及びドリフト波不安定性(捕捉電子モード等)に基づくイオン熱拡散係数のモデルを用いて計算で得られた分布を比較した。JT-60のLモードプラズマでは広範囲なプラズマパラメータ領域において実験値と計算値は良い一致を示した。TFTRのLモードプラズマでは、プラズマの周辺領域において計算値は実験値よりも高くなった。プラズマの中心イオン温度が10keVを超える高イオン温度モードプラズマでは、イオン温度の分布は実験のそれに比べると平坦で、かつ中心イオン温度もかなり低いものになった。高イオン温度モードプラズマでは、これらの不安定性の安定化機構や他の輸送機構(熱ピンチ等)を考慮する必要がある。
矢木 雅敏; J.P.Wang*; Y.B.Kim*; 安積 正史
Phys. Fluids B, 5(4), p.1179 - 1187, 1993/04
被引用回数:4 パーセンタイル:19.32(Physics, Fluids & Plasmas)磁力線に対し平行方向のイオンの流速、一般化されたスカラーポテンシャル、イオンの圧力、平行方向の熱流速の時間発展を記述する簡約化方程式系を導出した。この方程式系は従来用いられてきたBraginskiiの2流体方程式系を拡張したものであり、バナナ-プラトー衝突領域においても使用できる。これを用いてイオン温度勾配駆動不安定性の解析を行なった。従来のモデルではプラトー領域に入ると不安定性が安定化されてしまったが新しいモデルによると不安定性がプラトー領域でも存在することが見い出された。また新古典粘性効果に関しては、従来用いられてきた表式が不安定性に対しては適切でないことを示し、より厳密な計算から導出された新しい表式に基づいて解析を行なったところ、以前Kimらにより行なわれた結果が正しくないことが見い出された。
安積 正史; 若谷 誠宏*
核融合研究, 66(5), p.494 - 524, 1991/11
トロイダル・プラズマにおける巨視的及び微視的不安定性の基本的性質について述べる。巨視的不安定性はプラズマの磁場エネルギー及び内部エネルギーを自由エネルギーとして成長する。各閉じ込め装置における不安定性は、磁力線の曲率及び回転変換角によって特徴づけられる。トカマクではバルーニング的性質が、又、ヘリカル系やピンチ系では交換型的性質が重要となる。有限電気抵抗や高エネルギー・イオンによる巨視的モードの不安定化についても駆動機構を明らかにする。ドリフト波不安定性もトロイダル・プラズマでは新しい性質を示す。バルーニング効果による局所井戸の形成は磁気シヤー安定化効果を無効にする事が示される。具体的に不安定性として捕捉電子不安定性とイオン温度勾配不安定性について説明する。最後に周辺乱流を解析する為の基本的な定式化について述べる。
永島 圭介; 福田 武司; 菊池 満; 平山 俊雄; 西谷 健夫; 竹内 浩
Nuclear Fusion, 30(11), p.2367 - 2375, 1990/11
被引用回数:7 パーセンタイル:32.52(Physics, Fluids & Plasmas)簡易な摂動法を用いて、JT-60における粒子輸送の研究を実施した。鋸歯状振動に伴う密度揺動の解析より、粒子輸送係数は、電子密度に対して反比例的に減少していくことが明らかとなった。また、ペレット入射にともなう密度揺動の解析から得られた粒子輸送係数の値は、鋸歯状振動の測定結果と一致した。さらに、鋸歯状振動の場合の熱パルス伝播と粒子パルス伝播の解析を行うことにより、熱及び粒子拡散係数の比を評価することが出来、その値はほぼ4程度であることが分かった。また、こうした実験結果を、ドリフト波理論から得られる輸送係数と比較検討した。
相川 裕史
JAERI-M 90-175, 23 Pages, 1990/10
散逸性ドリフト波乱流による拡散係数は、これまでに何人かの著者によって、それぞれ乱流の強さに応じて異なった形で記述されてきたが、乱流の強さを表すあるパラメータを導入することによって、1つの統一された形に表すことができることを示した。それゆえに、前に同著者により示されたようにL-H遷移の原因が散逸性ドリフト波乱流に可能性があることから、L-H遷移モデルがもっと簡単な形で、前に示したレポートの内容を矛盾なく抱括できることを示した。
森 茂
JAERI-M 5564, 89 Pages, 1974/02
核融合研究室における昭和47年度の研究成果、研究進展状況をまとめたものである。
菊池 満; 滝塚 知典*; 古川 勝*
no journal, ,
負三角度トカマク配位は、トカマクの除熱性能を飛躍的に改善できる可能性をもつものの、TCVで観測されている閉じ込め改善機構については、いまだ十分な理解ができていない。本講演では、トロイダルドリフト波の線形構造を決めているバルーニング固有関数の構造やフローシアの影響について現状の理解を整理することを試みる。